(令和8年8月3日提訴)

【被告】   鏡野町(代表者 町長 瀬島栄史)

【事件番号】 令和8年(行ウ)第18号  (岡山地方裁判所第1民事部、合議体で審理・裁判)

【現状】   次回期日は、令和8年10月6日(火)(岡山地裁202号法廷)

事件概要

この事件は、鏡野町に対し、令和7年9月7日に発生した政治活動妨害に関して岡山県と鏡野町がやり取りした内容に関する情報公開請求を行ったところ、不開示決定となったため、訴訟を起こしたものである。

政治活動妨害の詳細は、(鏡野ドーム職務質問事件(正式名称:政治活動の妨害および名誉棄損による慰謝料請求事件)をご参照ください。

事件後の経過

令和8年8月3日、岡山地方裁判所に提訴。

訴訟後の主な経過

次回期日は、令和8年10月6日(火)10:45~(岡山地裁202号法廷)

今に至る

訴訟等の資料

一部、分かりやすいように文言を修正、省略しています。


<訴状>

訴 状

令和8年  8月  3日

岡山地方裁判所御中

被告 鏡野町 代表者 町長 瀬島 栄史

行政文書不開示決定処分取消請求事件

訴訟物の価額  金 160万円(算出不能)

貼用印紙額    金 1万3千円

請求の趣旨

 1.被告が令和8年7月27日付で原告に対して行った、行政文書不開示決定処分(鏡野産観第238号)を取り消す。

 2.訴訟費用は被告の負担とする。

 との判決を求める。

請求の原因

第一 当事者について

 1.原告は,鏡野町に事務所を持つ政治団体「かがやけかがみの」の代表であり,鏡野町情報公開条例に基づき行政文書の開示請求を行った者である。

 2.被告は,原告の開示請求に対し不開示決定(鏡野産観第238号)を行った処分庁である。

第二 本件提訴に至る経緯

 1.原告は,令和8年4月14日に鏡野町情報公開条例第6条に基づき,以下の行政文書の開示請求(以下,「開示請求」と書く)を行った。

 2.1項において,原告が被告に対して行った開示請求の内容は以下の通りである。

  津山簡易裁判所 事件番号:令和7年(八)127号

  岡山地裁津山支部 事件番号:令和8年(ワ)121号※

  において鏡野町が岡山県警(代理人を含む)へ提出した資料・議事録・本事件に関して鏡野町が支出した費用が分かる資料。

  ※岡山地裁津山支部 事件番号:令和8年(ワ)121号は,岡山地裁津山支部 事件番号:令和8年(ワ)12号の間違い

 3.被告は,令和8年4月27日付で鏡野町情報公開条例第7条2号,同条5号及び同条7号を理由として,上記行政文書を全て不開示とする決定を行った。

 4.原告は,2の開示請求に誤記があったため,令和8年7月13日に改めて以下のような情報公開請求を行った。

  ①令和7年9月7日,鏡野町が路上で政治活動を行っている者に対して警察に通報した事案(政治団体の代表は請求者本人)

  ② 岡山県地方裁判所津山支部事件番号令和8年(ワ)第1 2号

  上記のいずれかに関連して、鏡野町が岡山県(岡山県警・代理人を含む)と行った協議・連絡・相談に関する記録ー式(記録の形式は、議事録・メモ・メール• FAX ・提出資料・説明文書など、名称・様式を問わない)。

  また、本件に関して鏡野町が支出した贄用の根拠となる資料(契約書・見積書・支払決議書・支払証拠書類)。

 5.被告は,令和8年7月27日付で鏡野町情報公開条例第7条2号,同条5号及び同条7号を理由として,上記行政文書を全て不開示とする決定を行った。

 6.原告は,この不開示決定に不服であるため,本件訴訟を提起した。

第三 不開示決定の違法性

 1.被告の不開示決定は,鏡野町情報公開条例の趣旨・構造に照らし,明らかに違法である。

 2.本件行政文書は「公人の職務行為」に関する情報である。かつ,議事に参加した人は全員公人もしくは代理人であり,公人以外の人は関与していない。

 3.鏡野町情報公開条例第7条2号(本文)および同条同号の除外事項として(エ)には,以下の通り明記されている。

  鏡野町情報公開条例第7条2号(本文)

  個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって、特定の個人が識別され、又は他の情報と照合することにより識別され得るもの。ただし、次に掲げる情報を除く。

  同条同号の除外事項(エ)

  公務員(国家公務員法(昭和22年法律第120号)第2条第1項に規定する国家公務員及び地方公務員法(昭和25年法律第261号)第2条に規定する地方公務員をいう。以下同じ。)の職務の遂行に係る情報に含まれる当該公務員の職及び当該職務遂行の内容に係る部分であって、

  開示しても当該公務員の個人の権利利益を害するおそれがないと認められるもの

 4.原告が開示請求を求めた文書は,鏡野町が岡山県警へ提出した資料,議事録および支出資料であり,すべて鏡野町職員の職務行為そのものである。

  したがって,鏡野町情報公開条例第7条2号の除外事項(エ)に該当し,鏡野町情報公開条例第7条2号を根拠に不開示決定ができないものと主張する。

 5.被告は,鏡野町情報公開条例第7条5号も根拠にしている。

  条文は以下の通りである。

  鏡野町情報公開条例第7条5号(本文)

  町の機関内部又は国、他の地方公共団体又は公共団体(以下「国等」という。)の相互の審議、検討又は協議(以下「審議等」という。)に関する情報であって、開示することにより、

  率直な意見の交換若しくは公正な意思形成が不当に損なわれるおそれ、不当に住民に誤解を与え、若しくは混乱を招くおそれ、特定の者に不当な利益を与え、若しくは不利益を及ぼすおそれ、

  又は当該審議等、若しくは将来の同種の審議等に支障が生ずるおそれがあるもの

 6.原告は,開示請求を行った文書は鏡野町職員の職務行為の記録であり事実資料であると理解している。しかし,鏡野町情報公開条例第7条5号の適用を主張するのは被告であり,同号の適用には以下の特定が不可欠である。

  (1)率直な意見の交換若しくは公正な意思形成が不当に損なわれるおそれ

  (2)特定の者に不当な利益を与え、若しくは不利益を及ぼすおそれ

  (3)当該審議等、若しくは将来の同種の審議等に支障が生ずるおそれ

 7.被告は,原告が開示請求を求めている資料が鏡野町情報公開条例第7条5号に該当するのであれば,その具体的根拠を示す責任を負う。

  しかし被告は,事実資料の開示が同号各号に掲げる不利益を生じさせる具体的事実を示していない。

  本件のように,事実資料に対して不利益の具体的特定を伴わずに第7条5号を適用することは,条例の趣旨に反し,その適用を拡張するものである。

  したがって,第7条5号の適用は失当であり,不開示決定は違法である。

 8.被告は,鏡野町情報公開条例第7条7号も根拠にしている。

  条文は以下の通りである。

  鏡野町情報公開条例第7条7号(本文)

  町の機関と国等の機関との間における協議、依頼等に基づいて実施機関が作成し、又は取得した情報であって、開示することにより、国等との協力関係又は信頼関係が損なわれるおそれがあるもの

 9.6項でも記載した通り,開示請求を行った文書は鏡野町職員の職務行為の記録であり事実資料であると理解している。原告が開示請求しているのは,鏡野町が岡山県警(もしくは代理人)に提出した資料等の事実の開示を求めるものである。

  よって,鏡野町と岡山県警との協力関係の損なう性質のものではないと主張する。

 10.鏡野町情報公開条例第1条には以下のことが書かれている。

  鏡野町情報公開条例第1条(本文)

  この条例は、行政文書の開示等を請求する町民の権利を明らかにし、情報公開の推進に関し必要な事項を定めることにより、町民の町政に対する理解と信頼を深め、もって町民参加の促進と公正で開かれた町政の実現に寄与することを目的とする。

 11.本件不開示決定は,公人の職務行為を個人情報と誤って扱い,鏡野町情報公開条例第1条の「条例の目的」に反して行政情報を隠蔽したものであると言わざるをえない。

第四 結語

 以上より,被告の不開示決定は条例の解釈を誤った違法な処分であり,取消されるべきである。

以上,


<被告答弁書>


令和8年(行ウ)第18号 行政文書不開示決定処分取消請求事件

令和8年9月29日

〒700-0817 岡山市北区弓之町2番15号

弓之町シティセンタービル6階

小林裕彦法律事務所(送達場所)

被告訴訟代理人

(担当)弁護士 小 林 裕 彦

    弁護士 藤 井 秀 孝

(担当)弁護士 丸 屋 祐太朗

    弁護士 越 智 量 平

    弁護士 石 井 一 弥

    弁護士 岩 田 尚 浩

(担当)弁護士 中 尾 一 清

    弁護士 中 村 慶 人

    弁護士 桑 原 啓

第1 請求の趣旨に対する答弁

 1 原告の請求を棄却する

 2 訴訟費用は原告の負担とする

 との判決を求める。

第2 請求の原因に対する認否

 おって認否する。

第3 被告の主張

 おって主張する。

第4 その他

 初回期日は,都合により出廷できないため,擬制陳述とすることを希望する。